結論、インサイドセールスは挑戦すべきです。
ただし、従来型の電話営業とは異なるためご自身とキャリアプランとあわせて考える必要があります。
スキルアップや年収アップのためには挑戦したい職種の一つであると言えます。
本記事ではインサイドセールスに挑戦する価値をお伝えしていきたいと思います。
「インサイドセールス やめとけ」と言われる理由
テレアポとの混同
テレアポとはテレフォンアポインターの略称です。
法人、個人を問わずリストアップされた電話番号へ架電します。
買う気のないお客様へひたすら架電をさせられるイメージをお持ちではないでしょうか。
また、そもそも買う気のないお客様へ架電しているため、
電話口でお客様より心無い言葉を浴びせられる、そのようなイメージをお持ちではないでしょうか。
テレアポを実施するすべての企業がこのようなイメージに当てはまる架電をしているわけではないですが、
リストアップの甘さにより電話でのアポイント取り付けには苦労されている架電担当者も少なくないと思います。
インサイドセールスは「THE MODEL」という分業体制の営業活動のいち役割になります。
マーケティング部門が獲得してきたお客様情報の見込み度合いを見極めることが仕事の一つです。
こちらからお客様に架電をすることは同じなのですが、お問い合わせや資料ダウンロード、展示会の参加など、
能動的な行動のあったお客様に対してアプローチしていきます。
アポイントを取れば良いのではなく、商談に発展するか否かを見極める必要があります。
こうした点がテレアポとは異なります。
目標設定が不適切
インサイドセールスと名の付く部隊であっても「THE MODEL」の解釈が異なっている場合や
単純なテレアポ集団にとどまっている場合もあります。
アポイント獲得件数のみを重要指標にする場合や、架電件数のみを目標にする場合があります。
アポイント獲得件数のみを重要指標にすると、まだ見込みの薄いお客様に対して無理やり商談を取り付ける担当が出てきます。
架電件数のみを目標にすると「100件架電しましたがつながったのは10件です」などと成果報告する担当が出てきます。
極端な例ではありますが、最終目標が売り上げであり、売り上げ達成のためにそれぞれの分業体制の中で何を重要指標とするか、
この視点が欠けていると意味のない目標設定とそれにまい進する担当者が出てきてしまいます。
具体的かつ継続的な社員教育がない
企業によって異なりますが下記の概要学習を得て業務本番が多いのではないでしょうか。
・最低限の敬語使い方。
・スクリプト(台本)の提供と、ロールプレイング。
・電話機の使い方と、パソコンで入力するシステムの使用方法。
・販売対象の商品やサービスの知識。
業務を続けていく中で架電担当者に対する継続的な教育の場はあれど、あいまいな指導も多いのではないでしょうか。
・笑顔を意識した声を出してください。
・声の高さをあげることを意識してください。
・早口なので少し速度を落としてください。
教育のために言語化されている資料が限定的であり、指導自体はあいまいな企業はまだまだあります。
なぜインサイドセールスに挑戦すべきと言えるのか
時代にあった営業スタイル
”「インサイドセールス やめとけ」と言われる理由”でもインサイドセールスの役割は簡単に説明しましたが、
手法だけでなく、下記のような代表的な時代の波に乗って拡大しつつある職種と言えます。
①Saasという新たなビジネスモデルの台頭との相性。
Software as a Service(Saas)は必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにするビジネスモデルです。
月額もしくは年額で契約が可能であり、導入を検討する企業の初期コストを従来より大幅に削減しました。
人件費やハードウェア費用に投資ができない中小企業にとって導入検討のハードルが下がりました。
つまり従来は大手企業のみに限られていた商談機会が中小企業にも広がったことにより、営業先の拡大となりました。
商談機会が増えたとは言え、やはり大手企業の大口のライセンス契約に注力したいところです。
そこで、商談規模の見極め、注力するターゲット企業の見極めに、分業体制のインサイドセールスは見事に合致しました。
②オンライン会議システムの発達。
五感をフル活用する対面での商談はいまだに強力です。
旧来の電話だけの営業手法は聴覚への訴えかけのみでした。
テクノロジーの発達によりオンライン会議システムの性能は向上していますが、
国土が狭く、東京に企業が密集している日本では訪問したほうが早いという潮流もありました。
しかし、新型コロナウィルスがこの既成概念を覆しました。
訪問したくともできない、ただし経済は止めることができないという状況が強制的に作られました。
プレゼンテーションと、デモンストレーションを画面共有しながら商談する営業手法が浸透しました。
こうした訪問しなくとも、訪問に近い商談を実現できる環境はインサイドセールスの必要性を再認識させるきっかけともなりました。
③インサイドセールスの知名度の向上。
マーケティング部門と連携しながら分業を実施するインサイドセールスは、
マーケティング部門が使っているツールとも相性が良いものとして紹介され出しました。
マーケティングオートメーションツールやCRMはその最たるものです。
これらの各種ツールを販売している企業はこぞってツール導入成功のカギはインサイドセールスであるかのような紹介を始めました。
こうしたことからもインサイドセールスの知名度は向上していくこととなりました。
年収アップを目指すことが可能
Saasのビジネスモデルでは仕組みとしてのインサイドセールスと相性が良いことがお分かりいただけたかと思います。
CRMの大手外資系IT企業は「THE MODEL」の始祖であり、最も成功している企業の一つです。
当該企業を筆頭に、Saasを展開する外資系IT企業はインサイドセールスの募集に非常に積極的です。
インサイドセールスは内勤で業務を遂行している特性上、ガバナンスをきかせやすい組織であるといえます。
インサイドセールスのうちから優秀なフィールドセールスのノウハウを会得させることを前提として教育カリキュラムが組まれており、
最終的にはフィールドセールスにステップアップさせるキャリアパスとしている企業もあります。
優秀なフィールドセールスは年収1000万円超えを目指せる企業もあり非常にやりがいのあるキャリアとも言えます。
技術の蓄積と言語化
優秀なフィールドセールスのノウハウを蓄積させることにもSaasの企業は熱心です。
専門職として分業しており、業務は常に”再現性”を念頭にナレッジを蓄積しています。
営業にはアートの部分が少なからずありますが、サイエンスとして再現性が重視されています。
受注率、商談化率、最適な架電の通話時間、同じお客様に何度架電するかの規定回数、など多数です。
各種のデータと、商談の展開手法などを掛け合わせて、次のインサイドセールスに継承しています。
具体的かつ継続的な社員教育がない企業とは真逆です。
そのような個人任せの営業手法の確立は非生産的であり、貴重な人的リソースの無駄遣いであることを理解しているのです。
どのような人がインサイドセールスに挑戦すべきか
スキルと年収のアップを目指し、営業職まで見据えることができる方
営業職に挑戦する気概がある方は「インサイドセールス やめとけ」に惑わされずに挑戦いただきたいと思います。
インサイドセールスからフィールドセールスというキャリアパスは非常に合理的です。
新人からフィールドセールスにアサインされる方々は教育も少なく本番に放り出されることも少なくありません。
朝から夕方まで訪問活動を日報ベースで上司に報告し、フィードバックを受けるサイクルが一般的です。
しかし、インサイドセールスは違います。
商談機会の発掘活動の1架電ずつ具体的なアドバイスを受けることが可能です。
マーケティングから提供されている能動的な行動をしたお客様なのである程度の会話が成立します。
ガチャ切りされた架電を重ねても成長はほぼ無いですが、会話の成立は多くの学びがあります。
セールスとしてのキャリアを1段ずつ丁寧に積み重ねたい方にとっては非常に有効な職種です。
年収面でもインサイドセールスのキャリア時点から高い評価をつける企業もあります。
フィールドセールスになれば高いインセンティブが付きますので年収アップが見込めます。
年収面で積極的な企業は外資系企業が多いのでスキルアップと年収アップを両立させたい方はぜひ挑戦いただきたいです。
在宅勤務など多様な働き方をしたい方
インサイドセールスからフィールドセールスがキャリアパスになっていることはすでにお伝えしました。
スキルアップや年収アップだけでなく、多様な働き方をしたい方にもおすすめできます。
企業によってはインサイドセールスからフィールドセールスが一方通行のキャリアパスではなく、
フィールドセールスからインサイドセールスへのキャリアパスを用意している場合があります。
内勤が基本形態になっていますが、インサイドセールスは在宅勤務とも相性が良く、
在宅勤務のインサイドセールスを取り入れている企業も多数あります。
今の職場のやり方に疑問をお持ちの方
”「インサイドセールス やめとけ」と言われる理由”でお伝えした1から3に一つでも当てはまる方、
それ以外でも今の職場のやり方に疑問をお持ちの方はぜひ適切な場でキャリアを積み上げていただきたいです。
適切な場とは教育手法が言語化されている場であり、キャリアパスが提示されている場であり、
正当な評価として年収に反映されている場です。
挑戦すべき価値のある場へ行くために
場を変えるのはなぜか
場を変えるとは、職場を変えることになります。
「いま、自分のいる職場で変革してみたい」
「教育手法の言語化を自分の職場でも実現してみたい」
「インサイドセールスのキャリアパス構築を実現してみたい」
このようなお声があると思います。
ご自身の職場をより良くする志はとても尊いです。
しかし、教育手法の言語化やキャリアパスは一朝一夕でいかないうえに、
その構築自体にもノウハウが必要です。
そうしたノウハウは外で吸収することもぜひ一考いただきたいです。
あなたが職場への帰属意識や愛社精神があるならなおのこと、
一度は外に出て優秀な会社のノウハウを会得してみてはいかがでしょうか。
売り上げアップや人的リソースの有効活用を体得した方であれば、
外に出た方であっても喜んで受け入れてくれるのではないでしょうか。
場を変える方法
場を変える方法として具体的な転職方法を記載します。
おすすめはDODAです。
求人数は業界でもトップクラスです。
登録自体は料金はかかりません。
少しでも気になってたらぜひ活用してみてください。
転職の流れは大まかに下記です。
1.会員登録する
2.担当者と面談する
3.求人紹介・応募する
4.面接対策をする(任意)
5.面接を受ける
ポイント
・担当者とのカウンセリングの前に希望条件をまとめておく
担当者との初回面談の前に、転職先に求める条件を自分なりにまとめてみてください。
希望条件が決まっていれば、その後の求人紹介で的外れな求人を紹介されにくくなります。
希望条件が具体的になっている人は担当者から見て熱量が高い求職者に見えるため、サポートに力を入れてもらえる可能性があがります。
希望条件を決める際に大事なことは、”必ず叶えたい条件”と”叶ったらうれしい条件”を明確に分けておくことです。
すべてが叶う転職は稀です。
例えば、年収は〇〇円は必ず叶えたい、勤務地が首都圏の場合に東京勤務だとうれしい、などです。
・良い転職先があれば転職したいと伝えておく
すぐに転職する予定がなくても、担当者には「希望の転職先が見つかればすぐに転職したい」という意思を伝えておくことは大事です。
なぜなら、転職する気がないと担当者に思われてしまうと、求人の紹介が他の転職希望者より後回しになってしまうからです。
すぐに転職する気が無くても転職サイトに登録すること自体は問題ないですが、担当者から「情報収集のためだけに登録した人」と思われないように意識しておくことは必要です。
・他の転職サイトや転職エージェントを併用する
DODAをおすすめしていますが、リクルートダイレクトスカウトやビズリーチもぜひ活用してみてください。
希望の求人を探す際に選択肢が増える。
各転職エージェントの独占案件をチェックできる。
複数の担当者からのアドバイスを受けられる。
上記のようなメリットがあります。
少しでも気になった方へ
もし少しでも気になった方がいらっしゃればぜひ登録してみてください。
繰り返しになりますが、すぐに転職する気が無くても転職サイトに登録すること自体は問題ないです。
キャリアシートはご自身の保有スキルや職務経験を見直すうえでも非常に有効です。
応募動機、希望条件はご自身の仕事に求める価値観の棚卸になります。
見直した結果、その職場にとどまるという結果もあろうかと思います。
その結果をもって再度職務にあたると違った視点で業務が見えます。
様々な気付きを得られます。
ぜひ人生の棚卸をしてみてください。